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沈鬱な政治不信の連鎖:国民と政治家と官僚と

 立命館大の上久保誠人准教授が一昨年末に《再び敢えて問う、実は国民こそ政治家から「信頼」されていないのではないか》と唱えてから1年、小泉政権の郵政解散から始まった政治不信の連鎖は止めどなく進んでしまった観があります。与野党の政治家がいかに国民の信を失っているかは、大阪ダブル選で既成政党完敗が示してくれました。大震災・原発事故の収拾と復興をめぐる官僚の無能ぶりには呆れ果てました。そして、財政再建のみをテーマにした増税に舵を切った野田首相は、国民から増税理解を得るための切り札、公務員給与引き下げに失敗する体たらくです。

 上久保さんは「(かつての)自民党・社会党が国会で強硬策に訴えるか、妥協を模索するかを、常に世論の動向を見ながら使い分けていた」「過去の事例を勉強していれば、菅政権の国会運営の困難は、与野党間にパイプがないからではなく、国民が野党の妥協を許さないからだとすぐにわかる」と指摘しました。マスメディア政治部報道では政策の本格論議より言葉尻をとらえた失言がもてはやされてきた点や、それを受けた内閣支持率調査があまりにも感情的に動いてしまうのも短命な首相を生み続けている要因でしょう。

 ブログが隆盛を迎えた2004年からブログウオッチを続けていると、2005郵政解散による劇的な勝利の後、小泉首相が盛り上げた世論を裏切って「改革」が日本を変える期待から遠いことをあからさまにした時、ネット上での政治熱は一気に冷めました。これが今日に至る不信の原点です。そして、自民党が圧倒的に支持された正統性が失われたのに、衆院の大量議席差だけを頼りに3代の首相が立ちました。従来の政治とカネの問題より政治不信は深いところで進みました。

 変えるためには既得権益を打破するとした民主党に民意が集まっていき、2009総選挙で初めて本格的な政権交代が実現しました。福島原発事故で明るみに出た「原子力村」のように、長期政権下に出来た日本の官僚制は既得権益と結びついています。その意味で民主党の「官僚外し」は正しかったのですが、代替えするスタッフを集めずに無手勝流で、つまり裸の「政務三役」が適切なアシスト無しに各省庁を切り回すドンキホーテを演じてしまいました。無惨な判断ミスがあちこちで起きました。在京メディア政治部は相変わらず政策に疎く、政局にしか関心がありません。1年前の「『新政権を育てるのに失敗』年賀状での心配事」で描いた通りです。

 官僚を使いこなす仕組みさえ整えれば打開できるかもと思い始めていた矢先に起きた東日本大震災と福島原発事故が、優秀とされた日本の官僚には非日常事態に対処する能力が無いと証明してしまいました。また、災害からの復興という難易度が低い課題が遅れに遅れている理由は、財務省官僚が所得増税が決まるまで復興財源を認めなかったからです。そして今、消費税増税では財政再建が語られるだけです。

 自民党の河野太郎議員が「消費税の引き上げについて」で「消費税を引き上げるならば、基礎年金の財源に充てるべきだ」「買い物をするたびに必ず消費税を支払うので、未納や免除は生じないので、全ての日本人が65歳になれば満額の基礎年金を受け取ることができるようになる。高齢者の生活保護も廃止できる」「専業主婦も消費税を負担するため、三号被保険者問題も解決する」と主張するような、年金制度を憂う人に響く問題意識は聞こえてきません。

 参院で野党が問責決議案を可決してしまったから閣僚を呼べないので衆院でも審議が出来ないなど、あまりに愚かしくて話になりません。これだけ誰も彼もが不信感を抱いているのですから、国会のオープンな議論の中で問題点を明らかにし、知恵を結集して国民の理解と信頼を回復するしか道はありません。この状態で総選挙に突入すれば、国民には選ぶ選択肢が無いと映るでしょう。旧政権与党の自公両党が野に下って何もしていないのに、再び自分の所にお鉢が回ってくるかのごとく構えている感じがする点に、大きな違和感を持っています。