「福島県の米の検査まとめ_10月14日発表分まで」に、測定された米1328サンプルが一覧表になっています。国の暫定基準ぎりぎり、1キロ当たり470ベクレルが出た二本松市旧小浜町分は地区全体を市場から隔離すると報じられています。これが前提なら103〜163Bq/Kgが5点、52〜99Bq/Kgが15点ある以外は50Bq/Kg以下で、大半は「検出されず」(20Bq/Kgあるいは10Bq/Kg未満)です。
暫定基準がどう計算して出来たか――簡単に言って年間5ミリシーベルトをあらゆる分野に分配して出てきたのが暫定基準「500Bq/Kg」だということです(参照ウェブ)。従って米の分が5分の1の「100Bq/Kg」以下なら、線量も年間線量限度1ミリシーベルトの範囲におさまるはずです。安全率2倍をみて、50Bq/Kgにおさえたらまず大丈夫ではないか、と考えました。
メディアの報道は国の暫定基準500Bq/Kg以下だから安全と紋切り型で、家族の食を預かる主婦たちの不安を解消できていません。しかし、法定の年間線量限度1ミリシーベルトには一定の信頼があります。放射線の利用について利便と危険性を秤に掛けて、かなりの安全率も見込んで出来た社会的合意だからです。福島県産米の汚染分布を考えると同じ土地の米ばかり食べ続けるのを避ければ、50Bq/Kg以下にするのは容易です。汚染レベルがずっと低いはずの西日本の米も食べればいいでしょう。
しかしなお、福島事故以前のように1Bq/Kg以下でなければ駄目だと主張する方たちがいらっしゃいます。一つの根拠は元ゴメリ医大学長、バンダジェフスキー博士の研究です。「人体に入った放射性セシウムの医学的生物学的影響」に、ざっとした要約があります。年間限度1ミリシーベルトよりはるかに低い線量を問題にしている研究で、長年付き合っている京大原子炉の皆さんをはじめとして私の周囲の研究者でこれに依存して論じている方はいません。
放射線レベルは低ければ低いほど善いのは間違いありませんが、汚れてしまった国土・海洋を相手に生きねばならない一次産業の生産者を見殺しには出来ません。その意味で福島県産米の汚染分布が上記の程度で済んだことを喜ぶべきでしょう。福島県産米は知名度が低く、業務用の需要が大きいと聞いています。外食用に汚染が高い米が出回っていないか、不安を持たずに済みます。
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