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自民党組み替え予算案は政権奪取資格無し証明

 国会で実質的な予算審議が進まない中で、自民党が2011年度予算の組み替え動議案を作りました。民主党が政権を取ってから始めた主要施策をあらかた削除、増やすのは公共事業と企業減税という内容です。2年前の総選挙で敗れる前の自民政権下に戻すだけ――と酷評して差し支えないと思います。政権を取って何をするのか、どんな美辞麗句よりはっきりしているのがお金の裏付けがある国家予算です。それが新たな未来を描くのではなく、行き詰まっていた過去に戻すことでしかないとすれば、自民党に再び政権を奪取する資格は無いと断言できます。自民党はこの構図で解散・総選挙に持ち込んで、勝てると考えているのでしょうか。

 《一般会計89兆円規模に圧縮 自民、予算組み替え案》(47news)はこう伝えました。「子ども手当廃止などで5兆3100億円の財源を捻出。赤字国債を1兆8千億円分減らし、2兆2500億円を公共事業費や企業減税に充てる」「子ども手当のほか、農家への戸別所得補償や高校無償化、高速道路料金無料化をやめることで2兆6800億円、公務員人件費の削減で1兆5千億円、地方への一括交付金の見直しなどを通じ捻出する」「公共事業は地方中心に1兆4100億円増額。企業に対し、研究開発税制や減価償却制度の見直しで4300億円の実質的な減税措置を講じる。児童手当と保育所の拡充にそれぞれ1千億円、防衛費増に200億円を計上」「赤字国債を含む新規国債発行額は、44兆2900億円から42兆4900億円に縮小」

 予算の提出権は政府にしかないので、野党からは予算組み替え動議になります。与党には予算関連法案の成立が難しい膠着状態を打開するために、野党案を丸飲みするしかないとの動きまで出ていますから、「そうはさせない」と意地悪な対案を作ったのが本音でしょう。しかし、この修羅場に来て、自民党が政権を失ってから政権復帰のための本格的な政策づくりをサボってきたことが証明されてしまいました。愚かなマスメディアとタッグを組んで、「政治とカネ」の問題にひたすらのめり込んできたツケを払わねばならなくなったのです。

 政権交代を機に国会を中心にした政策論争に移行すべきなのに、無為に時を失ってきた日本の政治です。年初の「『新政権を育てるのに失敗』年賀状での心配事」で「政権交代で待望された国家戦略の転換をアシストする役割が国内の既成メディアには見えなかったと評するしかありません。年金・医療など社会保障、農業と貿易の問題、内需拡大と成長戦略といった緊急を要する大きな政策課題に成果を上げさせねば、政権交代の意味そのものを失わせ、長く尾を引く後遺症になると心配します」と書きました。混迷している民主党政権へ政治の世界が用意できる対案が自民党組み替え予算案でしかないとすれば、我々はこの2年、何をしてきたのでしょう。