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低いガン検診受診率をメタボ健診が押し下げ

 OECD諸国の中で最低レベルである日本のガン検診受診率が、2008年度にあろうことか下がってしまいました。47Newsの「市町村のがん検診受診低下 メタボ健診で混乱か」が伝えている通り、厚生労働省のメタボリックシンドローム健診推進は、国民の寿命を伸ばすために本当に必要なガン検診をブロックしたと言うべきです。メタボ健診が始まるときに私が「インターネットで読み解く!」第159回「メタボリックS健診は男性短命化政策」で指摘したように、過去の大規模健診追跡データは標準より小太りの男性の方が長生きだと示しているのです。多少太いウエストサイズを問題にすべきではなく、求められるべきは低いガン検診受診率改善の方なのです。

 47Newsは「大腸がん検診は前年度まで受診率が上昇傾向にあったが、2・7ポイント下がり16・1%に低下。前年度唯一20%を超えていた肺がんは17・8%(3・8ポイント減)、胃がんは10・2%(1・6ポイント減)と下がった。子宮がんは19・4%(0・6ポイント増)、乳がんは14・7%(0・5ポイント増)とわずかに上昇した」「07年度までは、市町村が基本健康診査とがん検診を実施。しかし、08年度に基本健診が廃止され、代わりに始まった特定健診は市町村運営の国民健康保険(国保)に実施が義務付けられ、がん検診と実施主体が分かれた」としています。

 特定健診とはメタボ健診のことで、受診率が低かったり保健指導での改善が無かったら、市町村や健康保険組合に対して後期高齢者医療制度への支援額を増やすペナルティを課しました。このインセンティブは強烈ですから、本当は重要であるガン検診よりもメタボ健診に力が入って当然でしょう。

 ところが、国の「低い日本の検診受診率|がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン」はこう記載しています。「日本の乳がん検診、子宮頸がん検診は、OECD(経済協力開発機構)加盟国30カ国の中で最低レベルに位置しています。欧米の検診受診率が70%以上であるのに対し、日本は20〜30%ととても受診率が低いのが現状です。例えば、米国では子宮頸がん検診の場合、83・5%の女性が検診を受診しているのに対して、日本では21・3%にとどまっています」

 実は2007年の閣議決定で2012年には「がん検診の受診率50%以上」が打ち出されているのです。キャリアブレインnewsの《がん検診受診率、「なかなかショッキング」》は受診率低下に接した「がんに関する普及啓発懇談会」の模様をこう伝えます。「中川座長は『なかなかショッキング。危機感というか、もう土俵際という感じ』と述べ、受診率向上に向けた個別勧奨の重要性を指摘した」。韓国は受診率53%を達成していて「2年後に50%達成するんだ、がん検診が大事だ、予防医療が大事なんだということを、日本政府にはっきり打ち出していただくことが必要かなという気がしている」とも。

 2007年の「第2回がん検診事業の評価に関する委員会」に出された「資料3:がん検診受診率向上に向けた取組方策について」などには、受診対象者をうまく調整してメタボ健診と同時に受診する仕組みにしたら受診率が上がるとの知恵が書かれています。しかし、現実は小太り男性にとっては無意味、有害なメタボ健診「命」と突っ走ったのですから、厚生労働省の罪は重いと思います。