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ネットの名誉棄損、最高裁が無理強いしても

 ネット上の記事による名誉棄損罪の基準を緩めないとの初判断を最高裁が示しました。日経新聞の「ネットの名誉棄損罪 新聞・雑誌と同基準 最高裁初判断」は名誉棄損罪の成立要件を「表現媒体によって区別をしないとする初判断を示した。ネットを理由に責任が緩和されることはないとした今回の判断は、ネット上にはんらんする度を越した中傷行為への警鐘といえそうだ」と伝えています。しかし、ネットの現状を知っていれば、この無理強いが無数のネット大衆に浸透していくとは考えにくいと思います。

 この判決に賛成と反対の立場で、これまで経緯を注目していた弁護士さんが発言しているので取り上げます。

 賛成は「貧乏庶民の法的思考」の「インターネットでの誹謗中傷 その4」です。無罪とした一審判決について「一般人は(マスコミとかと違って)調査能力に限界があるし(必要性)、一般人の書込みは読む者は(マスコミの記事とかと違って)疑いの目で読むから(許容性)、名誉毀損の成否は違法になりにくいよう甘めに判断する、ということ──には驚きましたね」とします。「だいたいこんな刑事裁判になるようなヤツは、企業が『事実と違うから訂正せよ』と要求しても訂正しないんですよ。いわゆる『確信犯』ですから。『わかってやっている』のですから。『害意の一念』でやっているのですから。だから大問題なのです」

 反対は「弁護士紀藤正樹のLINC TOP NEWS−BLOG版」の「不当な最高裁判決に驚き!と困惑!! 本日午前11時47分加筆あり」です。「この事件で、中傷という評価は誤っています。少なくとも、この事件は、市民として『できうる調査』はしていた事案です。ですから今回の最高裁判決は、本当に驚きです。たった4頁の判決で、市民に、マスコミと同様の調査義務を課すというのでしょうか?」と批判します。伊藤整翻訳のチャタレー事件を例にあげて「時代の変化を経て、以前は有罪であったものが、有罪でなくなるという事件も現にあります」「一体なぜ、その時代に、伊藤整氏は、有罪とされたのでしょうか?それは時代の変化に、裁判所がついていけていないからです」と判例は将来変わる可能性があるとします。

 新聞によっては1面にも取り上げた最高裁判決ですが、ネット大衆の目に触れるかと言えば極めて狭い範囲だけでしょう。グーグルのブログ検索でキーワード「最高裁判決・名誉棄損」で出てくる記事は、過去1日でわずかに174件です。「最高裁判決」のTwitterが40件余り。マスコミが伝えられる伝播力はこの程度のモノなのです。「警鐘」になるのか、極めて疑問です。圧倒的多数のネット大衆はこれまでと同じペースで書き続けるだけでしょう。最高裁は自分の権威を過大評価していると評しておきましょう。

 ※注:コメント欄指摘により「伊藤聖」を「伊藤整」に訂正