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お産をめぐる現場の危機がいびつな形で表面化

 産科領域での医療崩壊を象徴する事件のひとつ、奈良・大淀病院での民事賠償訴訟は医師の過失を認めない大阪地裁判決が出され、一区切りついたのですが、思わぬ方向から産科診療所が閉鎖に追い込まれる危機がクローズアップされています。少子化対策の一つとして、妊婦が出産時にまとまったお金を用意しなくてもよいようにした施策の結果なのだと言います。

 キャリアブレインの「一時金直接支払制度の影響?『黒字』で閉院に追い込まれる産院が増加」は「調査によると、2009年9月から10年2月までに、閉院や分娩の取り扱いの中止を決定した病院や産科診療所は、明らかになっているだけでも全国で25施設。そのうち10施設は採算ラインとされる1か月で20回以上の分娩を扱っていたにもかかわらず、閉院や分娩中止に追い込まれていた。中には、1か月で67件もの分娩を手掛けていたのに閉院した診療所もあった」と伝えています。

 出産一時金として42万円が健保などから渡されます。従来は出産時に数十万円の費用を妊婦がまず支払い、その後で一時金を受け取っていました。この一時金を分娩施設に直接、支払ってしまうのが新制度の趣旨です。昨年10月から導入され、医療機関への支払いが2カ月程度遅れることから反発が強く、3月末まで完全実施は猶予されています。

 日経ビジネスの「『お産難民』――医者も妊婦も救われない少子化対策」が危機の実例をとらえています。「直接支払い制度の欠陥は、そもそも分娩施設が費用を肩代わりするところにある。現場では、書類作成など手続きが煩雑になり、そのためだけに事務員を1人雇わないと仕事が回らなくなるという」。最大の問題は立て替え金による負担増で「池下院長の場合、経営する2つのクリニックでは月平均で70件近くのお産があり、2カ月分を立て替えるとなれば、その分だけでも5880万円に上る」。こんな現金を持っているはずもないので継続的に借金をすれば利息が要るし、税金の取られ方でもかなり不利になります。

 それでなくとも絶対的な人手不足で勤務が大変な産科の医師に余分な心配をさせなくて済むように、政策立案が出来なかったのでしょうか。お役人達が考えている以上の深刻な影響を現場にもたらしそうです。

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