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後ろ向き新聞業界のもの知らず、本当に心配になる

 新聞協会など6団体が日本版フェアユース規定導入に反対する意見書を公表しました。そこで問題例として取り上げられているのがウェブページの印刷なのです。平たく言って、広告と一緒に閲覧してもらうべきものであり勝手にプリントしてもらっては困る――との趣旨が述べられています。 早速、弁護士さんから「これからは新聞記者は資料としてウェブをプリントアウトしたりなどしない。」(benli)で「私は、新聞社のカタから、『あなたのウェブページを、取材の際の資料に使いたいので、印刷させて下さい』との許諾願いを受けたことがありません」と皮肉を投げつけられてしまいました。

 新聞業界に身を置く者としても、このもの知らずぶりには呆れ果てます。そんな些細な事柄を問題にする時ではないと、なぜ気づけないのか、です。「マスメディアはコンテンツ置き場になってしまうだろう」(Tech Wave)が「そんなイノベーションの最後尾でエネルギーを使ってる場合じゃないんじゃない。そんなことに労力を使っていると、コンテンツ置き場としての役割が確定してしまいますよ」と主張しているのに賛成しておきます。ネットで起きている実態を知らず、新聞が既にメディアの傍流に出つつあることを知らない各社幹部が新聞協会に集まっている様子が容易に想像できます。

 フェアユース規定は著作権ばかりが強く主張され、社会全体のためにならない面が出てきているから浮上しているのです。「『フェア・ユース』は著作者の権利を守らない?」(三田典玄の「体育館の裏話」 Ver.2)はこう指摘します。「日本の著作権法での一番の問題は、この法律があるために著作権者が過剰な著作の防衛を行い、結果として著作権法の目的である『文化の発展』に寄与しているとは到底思えない異常な事態が始まっている、という認識があることだ。それが日本のコンテンツ産業そのものを没落させている、という疑いが非常に濃い」「多くの人にエンターティンメントを供給する立場の会社は、『人に見てもらったり、買ってもらったり、気持ちよくしてあげてナンボ』の仕事である『河原乞食』でしかない、ということはいつの時代も肝に銘じておきたいものだ」

 最近、「売れる記事」という言葉をしばしば聞くようになっています。これも業界の認識がおかしくなっている、貧すれば鈍する例です。「売れる記事」を目指して仕事をしていくのは邪道です。結果として多くの人に読まれることは素晴らしいけれど、そのためだけにジャーナリズムが存在しているのではありません。ネット関連の側面方向ばかりでなく、正面方向も怪しい対応ぶりなのですから、本当に心配になります。